2018年12月05日

『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! 〜Sailing to the Sunshine〜』を見てきたよ

Aqoursのライブイベントを観覧するたびにその感想をこのブログで書き綴ってきたことは、いるかどうかもわからないこのブログの読者であればすでに知るところであります。
そして去る2018年11月17日、18日に行われた『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! 〜Sailing to the Sunshine〜』もその例外ではないのですが、観覧して数日が経過し本稿をしたためている現在、果たして今回のライブの感想をどう書けばいいのか、決めかねている自分がいます。

その理由はいくつかあります。
ひとつに今回のライブが、これまでのラブライブのライブイベントのテンプレ的構成からかなり外れていること。
もうひとつに、私自身がμ'sのときから通算して初めてアリーナに、しかも両日放り込まれたこと。

これによって私はライブを俯瞰する術を今回持ちませんでした。

また、これまではライブの全体の所感を述べた後にメンバーごとのレビューを記してきました。
これは知己のブログにおいて見られたものをそのまま当ブログにも持ち込んでの形式になります。
しかし先に述べたふたつめの理由により、その形式を取ることが今回難しくなっています。

こう言っては語弊があるかもしれませんが、これまでのAqoursのライブは、ある種特定メンバーへの無茶振り、もしくは常軌を逸した挑戦、それに準ずる何かが核となって存在していた感があります。
横浜アリーナの1stにおける逢田梨香子さん、3rdツアーにおける伊波杏樹さん、かぶせの存在しない函館ユニットカーニバルは個人の歌唱力を如実にさらけ出し、歌唱力に秀でたほうではない諏訪さんにしてみれば、2ndのトップは大変な重圧だったかもしれません。
そして、特定の曲でやってくる特定のメンバーの見せ場。
Daydream warrierでみんなが楽しみにしているものといえば間奏の小林さんセンターのキレッキレのダンスでしょう。

そういったある程度「フロントメンバー個人」の能力や、その挑戦に対するバックアップ、その成果こそがこれまでのラブライブ!サンシャイン!!のライブイベントにおける「見せ場」として機能していたように思えます。

しかし、そういった観点から比較するならば、今回の4thドームは個人への「依存」は驚くほど減り、メンバー9人がフロントで一丸となってショウの核となっていました。
特にユニット曲など特殊編成の曲は学年曲の3曲に絞られ、他は全て全員曲となっていました。

そして、見せ場はメンバーだけではありません。その最たるものが「浦の星交響楽団」でしょう。

ライブでの定番となっていた幕間でのアイコンアニメが封印され、劇伴制作者の加藤達也氏の指揮による、オーケストラ生演奏による劇伴コンサートが展開されるという事態を、いったい誰が想像し得たでしょうか。
きちんとミックスダウンされ、マスタリングなどの調製を経た通常曲の音に対して、生オーケストラの音がバランス、音圧において全く遜色なく、しかもドームの場においてきちんと響きわたるということはたいへんなことです。関係者のご苦労を思わずにはいられません。
そして一曲だけとはいえ生演奏でのメンバーの歌唱もあるとなれば、その苦労は想像を絶します。

今回アイコンアニメがこの演奏会となって気が付いたことですが、あのアニメパートは我々観客の良い休憩時間として機能していたのです。
しかしそれがなくなりアニメの場面のスチルをスクリーンに流しながら展開する生演奏は、我々を絶えることなく「ラブライブ!サンシャイン!!」の世界にひたすらに引きずり込み続けました。これがライブに対するとてつもない没入感をもたらしたことはもはや否定のしようが無いでしょう。

加えてドーム中央を往くAqoursシップという度肝を抜く舞台装置による演出など、Aqours4thライブはもはや「Aqoursのライブ」という枠に留まらず、「ラブライブ!サンシャイン!!」というプロジェクトが練り上げた構成物、スタッフなど全てによる総合的なライブ・ショウと言えるものに変貌したのです。

したがって今回はキャストごとのアクティビティなどはあまり目立つものではありませんし、それに対して個別に言及することは非常に難しいのです。MVPのようなキープレーヤーは存在せず、むしろ全員が、全スタッフがキープレーヤーであると言ってもいい状態でした。
なのでショウの流れを改めて追いながら、特に素晴らしいと感じたポイントを、アリーナからの主観で記すこととします。



・とにかく近い!

冒頭に記したように、今回はμ'sから通じて初めてアリーナという席を取ることが出来ました。
しかも1日目はこの席がG8ブロック端柵サイド、センターステージの下手側斜め前方、花道とセンターステージまで視界を遮る人物はスタッフのみ、というとんでもない場所でした。
2日目はこのちょうど反対側へ移動し、5mほどステージから離れた位置でしたが、それでもこの広さでは誤差のようなものです。
しかもメインテーマ演奏からの歌唱一曲目は、このセンターステージからメンバーが出現しました。さあ大変だ。

LVのスクリーンはもちろん、スタンドなどの遠景から見ていても、実はAqoursのキャストの姿は意外と大きく見えるのです。しかしここまでの距離になると、むしろはっきりとリアルな身長を感じます。つまり、想像以上に彼女たちは小さい。一番長身の小宮さんでさえ公称164cm、一番小さい鈴木さんは147cmしかないのです。μ'sでも一番身長が高い久保ユリカさんでさえ163cm。全員いったいどこにあれほどのパワーがあるのかと不思議になりました。そしてなにより、彼女たちが「そこにいる」というリアルな実感はあまりにも強烈でした。


・呪いを解かれた「想いよひとつになれ」

横浜アリーナでの1stライブの印象があまりにも強烈な「想いよひとつになれ」も、今回久々の再演となりました。遠い昔のことのようではありますが、まだあれから二年も経過していないということに驚きを感じます。
アニメ内の文脈中での強さと、1stライブでの「復活劇」があまりにも強烈で、それとセットで語られることしかなかったこの曲。
今回もメインステージ最上段で、ピアノの横で決死の表情を浮かべ深々と頭を下げる逢田梨香子さんから曲ははじまりました。正直な話「またアレをやるのかよ……」となかば祈るような気持ちでいたのですが、どうやら今回は様子が違う。なんと逢田さんが弾きながら歌っています。まさか弾き語りか、と思ったところで演奏をやめる逢田さん。それでもピアノは流れ続けています。そしてメンバーに視線を送りながら、最上段からゆっくりと降りてくる逢田さんは、それを迎えるようにメインステージに戻ってきたメンバーの輪の中に帰っていきました。
8人で歌うはずだったこの曲が、ついに9人のものになったのです。

この曲には「何かをつかむときに何かをあきらめない」という歌詞があります。
もともとはAqoursのためにピアノのコンクール出場をやめようとした梨子に千歌が出場を強く勧め、梨子が不在となった時の曲です。「Aqoursのために、ピアノをあきらめない」が1stライブでの初演も含めこの曲のありようでした。
では、「ピアノを取ったらAqoursはどうなるのか」?
その答えが、今回のライブなのです。「ピアノのために、Aqoursをあきらめない」。両方総取り。それが、梨子の選んだ答えでした。

今回のライブによってこの曲は、1stのあまりにも衝撃的な内容によって「そのイメージと共に語られざるを得ない」という、逢田さん、そしてそれを作るほう、見るほう、すべてにかけられた呪いを解かれたのです。けれど呪いは消え去ったわけではありません。その先には、「ピアノもAqoursもどちらも取る」という、もっとも幸せでもっとも過酷な道を選んだ桜内梨子という女の子が一人。その彼女に寄り添っていけるのは、逢田さんだけなのです。


・衝撃のダブルアンコール

二日目のアンコールで正真正銘最後の曲、Thank you, FRIENDS!! が終わって、メンバーたちが下降する舞台装置の向こうに消えた後、なおも場内はどよめきが収まりませんでした。あんなものを見せられたらそりゃそうだというところですが、どよめきは再びAqoursコールへと変わっていきます。正直これまでも公演終了後にそのような動きがなかったわけではありませんが、すぐに会場の電気が点灯していました。おそらく大半の観客はそうなるだろうと思っていましたし、私も荷物をまとめ始めていたところで、一際歓声が大きくなりました。
何事かと顔を上げると、そこには再びメンバーの姿が……。
歓声の中何も声を発さず立ち尽くす伊波さん。そしておもむろに、むしりとるかのようにマイクを捻じ曲げ、引きちぎるようにイヤーモニターを外すと、意図を察したかのように他のメンバーもそれに続きます。歓声、そして3万人の静寂。そこで起きたのは、メンバー全員の肉声による挨拶でした。
あれほどの人がいる空間に、まるで何も無いかのように反響さえ聞こえる9人の生声……。あまりにすさまじい光景でした。
このとき驚いたのが、小宮さんの様子です。
生声による挨拶は二度ありましたが、その一度目が終わったとき、ステージ上に散って手を振ろうとした諏訪さんと鈴木さんの手を、小宮さんが握って二人を元の位置に戻させたのです。まるで「気持ちはわかるけど、それはダメだよ」と優しく諫めるかのように。
その光景が、本当にこのダブルアンコールが偶発的なものであり、時間的にもギリギリの中で行われたものであることを物語っていました。
あれほどの熱狂の中でなお見失うことのないその胆力に、ストレートな表現ではありますがしびれてしまいました。初日のMCでmy舞の髪型に触れたときも、「あの髪型を再現するのに……いや私がダイヤだから本物なんだけど」とさらりと言ってのけるのもカッコよかったですね。

思えば、あの時μ'sが戻ってくることはありませんでした。しかしAqoursもそうする必要はない、そのことが、この場が終わりではなく、さらに先へ続くのだということを、殊更に心に刻んでくれました。


・これから

2日目でアジアツアーと5thライブの日程が発表されましたが、マジで次どうするんですか。
いやだって今回これだけのもの見せられたら、生半なことでは満足できなくなってる気がしてならないんですが……。
これを書いている時点では、Guilty Kissのファンミツアー初演となる福岡公演も終わり、東京での追加公演が発表されましたが、アジアツアーに5thライブとまだまだ続きますので、キャスト、スタッフともに、心身とも健やかに活動が続いていくことを祈るばかりです。


・センター総選挙、戦国時代編

これは詳細を省きますが、結論から言うと俺は鞠莉に入れます。

全ての始まりは、3rdツアーファイナルでの高槻さんのMCでした。
「花丸とセンターに立ちたい」。
4thシングルのセンター争奪戦が告知された直後でのこのあまりにもストレートな発言は、今回ついに小林さんにも伝染します。
「ヨハネとセンターに立ちたい」。今回再び高槻さんも宣言したことで、1月からのセンター争奪戦は過去に無い熾烈な戦いを予感させます。
とはいえ、高槻さんの発言にも納得はいきます。
おそらくAqoursの中で花丸は、全体曲においてセンターポジションをもらったことが無い、稀有なメンバーなのです。
ようちかは言わずもがな、梨子は「君の瞳をめぐる冒険」と、君ここのダブルセンター、果南はHPTがあり、ヨハネにはデイドリームウォリアー、ルビィはAwaken the powerでのりあルビダブルセンターにスカイジャーニー。ダイヤさんはmy舞がセンターという解釈でいいのでしょうか?(僕の中であれは黒澤姉妹のダブルセンターという位置づけなのですが)
とにかく、花丸ちゃんにはどこを見渡してもセンター曲がないのです。そりゃ言葉に出すのも納得という感じです。

しかしみなさん、忘れていませんか?
Aqoursにはもう一人、全体曲でセンターポジションが無いメンバーがいることを。
そう、小原鞠莉ちゃんです。

花丸ちゃんと同じ条件でいうならば、鞠莉も同等です。
鞠莉はかなり「曲中おいしいところで出てくる」ケースが多く、圧倒的な歌唱力に支えられたその箇所は曲そのものをしっかり形作るパワーを持ちます。しかもさまざまな曲を見るに、意図的にそれらの部分が割り当てられている可能性さえあります。今回のテーマ曲であるThnk you, FRIENDS!!でもその破壊力を存分に発揮していますね。
多くのファンもこのことに気づき始め、これをいっそセンターで聞いてみたいという「鞠莉センター待望論」もかなり持ち上がっている印象がありますが、これは同時に「おいしいとこたくさんあるんだからいいじゃねーか!」という話にもつながりかねない諸刃の剣でもあります。
さらに劇場版の予告映像を見るに、予告の曲のセンターは鞠莉らしいという観測もあり、その内容次第では「ご遠慮バイアス」みたいなものがファンの心理に起きる可能性も無視できません。

ただ、いずれにせよこれまでのライブを通じて、鞠莉と鈴木さんの圧倒的なボーカル能力はしっかりと認知されているので、小林さんや高槻さんと同じように「一言」発すれば、その場で山が動く可能性も大いにありましたが、そのような事態には至りませんでした。
紅白発表の映像が後ろで流れている間、必死で天を仰いで涙をこらえたり、紅白関連のことに言葉が及ぶと声が詰まったりするあたり、本当に鈴木さんの紅白への想いは強いのだな、とMC中も認識させられました。
それでは、鈴木さんは鞠莉のセンターに執着がないのか?
そんなことは微塵もありません。
G'sの4thライブ号外でのインタビューにおいて、3rdでのソロ曲の歌唱について聞かれた際にその記載がありましたので、ちょっと引用してみましょう。

初めて衣装を見た時、昔出場したアニソン大会のことを思い出しました。袖のあたりとか、当時着ていたドレスと雰囲気が似ていて。鞠莉がこの場所まで連れてきてくれたんだ、と思いましたね。シンガーになりたいと思って上京した時のことや、自分自身が辿った道を振り返りつつ……。この曲は私の気持ちとも重なることがすごく多くて、小原鞠莉の気持ちと鈴木愛奈の気持ち、両方を乗せて歌わせてもらいました。あの一面、ヴァイオレット色の光の海に包まれて思ったのは、やっぱり鞠莉をAqoursのセンターに立たせてあげたいな、ということ。ワガママだとは自分でも思いますけど、次の4thでチャンスをつかめたら……!と思っています。


(全部読みたければ本屋へ今すぐ行くんだよ!まだ置いてあるから!雑誌コードは16460-11だ!年が変わる前に早く!)
「ワガママ」という言葉を使ってしまうところにいわゆる「らしさ」を感じますが、はっきりとここでセンターに立たせたい、という言葉が出てきます。
さらに引用は出来ませんが、Aqours CLUBの11/23更新分でも、最後の一文がそういうニュアンスに十分とることができます。
こうなるともう私としては迷う理由がありません。

争奪戦で勝ち取るセンターはとても重いもの。
普段は落ち着いた語り口の諏訪さんも、2日目のMCで、ドームにおいて自身がセンター総選挙で1位を取ったHPTを歌うことの重さを熱っぽく語っていましたね。だからこそ高槻さんも、小林さんも、鈴木さんも、それぞれ形は違えどあえてその気持ちを外に出しているのでしょう。

あとこれは完全な蛇足プラスおせっかいなんですが、仮に劇場版で鞠莉センターの曲があったとしても、「割り振られたセンター」だけでなく「勝ち取ったセンター」があることは、今後仮に鈴木さんがシンガーの方面に本格的に進んだときに絶対にプラスになると思うんですよね……。

おそらく4thシングルの曲は、5thライブの一曲目になるはずです。
メットライフドームのライブ一曲目、ヴァイオレットの光の海にどセンターで現れる小原鞠莉と鈴木愛奈を俺は見たい!

夢、希望、打算、計算、全てが渦巻き、ファンですら仲間がこのときばかりはライバルというセンター総選挙。この独特のお祭りだからこそ生まれるテンションもありますし、投票から発表の瞬間まで楽しみつくせるといいですね。


posted by Die棟梁 at 02:00| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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