2015年02月03日

μ's Go→Go! LoveLive! 2015 〜Dream Sensation!

1日目:品川プリンスシネマ、シアターZEROにてLV
2日目:SSA、200レベル一桁列一桁番台席

メンバーは、μ'sは、驚いていたのだ。

その思いに至ったのは、一日目のラストの個別MCの時だった。
テンションが上がっている、というにはあまりにも饒舌な南條愛乃さん。そして、3rdの号泣MCの時でさえスマイルをビシッと決めた三森すずこさんが話し始めた時、その顔に浮かんでいたのは笑顔ではなく、本当の驚きの発露だった。

確かに、一日目の開演前は何か異様な空気が張り詰めていたように思える。
4thの開演前と同等以上の期待感。しかしそれにプラスして、期待した結果現れるものが、仮に期待以上だったとしてもそれがいかなるものか想像しきれない不安感、そしてそこから生まれる緊張感が観衆はおろかスタッフにまで満ちているのではないか。LVのスクリーン越しに見えるSSAからも感じられたのだ。

4thの時は遊園地をイメージした大道具セットが、片鱗ながらも展開していた。しかし今回はステージにそういったセットは一切ない。メインステージの上の三つ重なった照明サークルがラブライブ本選ステージを想起させる以外は、無骨とも言っていいリフト、流れる水と見紛う反射素材のフィルム。
埋め尽くされたSSAの客席、LV会場に比較して、ステージはあまりにも何もなかった。だからこそ、そこにこれから生じるであろう「有」を、誰もが想像できていなかった。

個別MCで南條愛乃さんが、ショウの開演直後、目を開けた瞬間に飛び込んできた光景と、そのすごさに言及していた。2日目、自分は舞台上手側の席でそれを目にした。
圧倒的な、光の海。
スタジアムモードの広さゆえに340m/sがもたらすタイムラグが拍ごとに伝播し、光の海の中にうねる波になる。
これを初めて目にしてビビらない演者が、果たして存在するのだろうか?
とにかく、それは予想をはるかに超えていたのだ。観客にも。スタッフにも。そして、演者にも。あの規模のライブの経験があるならともかく、どんなに時を重ねて、どんなに鍛錬を積んで、どんな事態に備えても、初めて臨むそれが予想以上に「良かった」時に対して人間はどうしても備えが甘くなるし、それを認識して力に変えるには若干の時間が必要なのだ。

場を受け止め、認識し、順応するための時間が必要だった。それも、観客も含めた全員に。
それができたのは、Shangri-La Showerのあとに設けられた、2年生組3人によるMCの時だったように思える。
全員で駆け抜ける曲が一段落した後に、バックで衣装をチェンジして次の全体曲に備えるミニドラマの枠ではなく、メンバーが(ある程度の決め事があったかもしれないにせよ)自分の言葉で観客に語りかけ、その間に残りのメンバーが次の曲に備える、という、これまでにあったようで実はなかなかない「長めのつなぎの時間」。この時間で、それまでに続いてきた狂騒の余韻を味わい、場の空気をいっぱいに吸い込んで順化し、さらに先へ進んでいくための余裕ができたのだ。
そしてその直後のLove Wing Bellが、この二日間のライブを決定的に印象付ける演目となった。

白いピンスポットの中に浮かび上がったのは、アニメ2期5話そのもののショートドレスに身を包んだ飯田里穂さん。アップでスクリーンに映し出されたその表情は、少し目がうるんでいるようでもあり、こみ上げる何かをこらえているようでもあった。しかし、この表情は2日目の公演において少し違った趣を見せる。
2日目に白いピンスポの中に現れた飯田里穂さんは凛として、そして穏やかに、微笑んでいたのだ。
公演日で曲順位置が変わったとはいえ、その演出は一切変わらない。タキシードに身を固めた5人とともにリフトを降り、メインステージをゆっくりと歩き、花道をバージンロードのようにエスコートされ、センターステージの頂点で、5人の愛を一身に受けて歌う。しかし、そこに秘められた意味は、1日目と2日目で明らかに違うように思えた。
1日目の飯田さんの佇まいは、美しいながらもどこか荘厳な雰囲気を湛えていた。星空凛という一人の少女と、二人で駆け抜けてきたこれまでの道。センターステージに続くあの花道は、まさしくその象徴だった。
そして2日目にその花道は、到達点から先の、未来への道に変わる。
アニメ2期5話で星空凛が得たもの、それは「自信」である。
その自信は、1日目を見事に駆け抜けた演者の自信と重なりあい、二人のその先の道へと続く鍵となって扉を開けた。
その証左が、2日目に飯田里穂さんが見せた笑顔なのだと思う。

そしてその笑顔は、2日目の他の共演者にも同様に見られたものだった。
1日目で驚きを隠さなかった三森すずこさんの2日目の個別MCでの表情は、どこまでも喜びに満ちた笑顔だった。
公演最終盤の曲で涙が見えるメンバーもいたが、その質は3rdの時のそれとは根本的に異なる。
「ここまできた」涙なのではない。ただ「やりきった」涙なのでもない。
自分たちの想像以上のものに直面し驚きを感じながらも、それを真正面から受けとめ、それ以上のものを出すことができた故の涙なのだ。

この、1日目の公演中に培われ、育ち、発現し始め、2日目に確かなものとしてメンバーの心の中に徹った「自信」。そしてそれがもたらした1日目とはまた違った2日目のパフォーマンス。
それこそが、5thライブの本質なのではないかと私は思っている。

そしてそれを予期していたかのようであったのが、事前に作られたはずの2日目のアンコールアニメだ。
2日目のアンコールアニメの一番最後。μ'sが選んだのは、僕らは今のなかでのあの衣装だった。あの衣装に身を包んだ穂乃果の自信に満ちた表情を、私は忘れることができない。
アニメ1期の4話、穂乃果の家でことりが花陽に、自分たちはプロのアイドルから見たら失格、という話をする。スクールアイドルだからこそ、自分たちは取り組めるのだと。衝撃的だが、あの世界においてスクールアイドルはプロのアイドルより決定的に劣るものだ、と明示されているのだ(個人的にはそれでいいと思っているし、そうあるべきだとも思っている)。
だが、スクールアイドルがいつまでも劣っていなければならないというルールはない。研鑽の末にプロのアイドルに比肩する力を身に着けてはいけないというルールもない。
とにかく彼女たちは走り続けた末に力を手にした。場所を手にした。そしてそこを、そうして積み上げた自信とともに、全力で駆け抜けたのだ。

手を取り合った「18人」の女性たちの「これまで」と、「これまで」が支える「これから」が交錯する場となった5th。それを例えるのならばまさしく、2期OPテーマ曲にもある「奇跡」という言葉がふさわしい。事実、その言葉に値するライブだったと確信している。
その奇跡に2日とも浴する機会を得られた自分は幸運であったと感じるとともに、このライブを支えられた全ての方に対する感謝の言葉を述べて、この記事の締めくくりとしたい。

本当に、ありがとうございました。
posted by Die棟梁 at 01:00| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする